Exhibition 2015


営業時間:11:00 -19:00(日・月・祝祭日定休)

会場:NANZUKA [ ACCESS MAP ]

オープニングレセプション

    この度、NANZUKAは、当ギャラリーでは初となる山口はるみの個展を開催致します。

    山口は島根県松江市生まれ、東京芸術大学油画科卒業。西武百貨店宣伝部に就職後、フリーランスとなり、1969年PARCOのオープンと同時にその広告制作にイラストレーターとして参加。1972年よりエアブラシを用いた女性像を描き、一躍時代を象徴するイラストレーターとなりました。

    山口とPARCOとの必然的な出会いは、PARCO社長を努めた増田通二が、デパートを美術館や劇場、出版事業などを複合的に備えた文化施設として作るという計画を立て、山口をヘッドハントしたことに由来があります。増田が、アートディレクションを石岡英子、コピーを小池一子、イラストレーションを山口はるみと3人の女性クリエイターに手掛けさせたことからも分かるように、PARCOはいち早く70年代以降の日本社会を牽引する大きなエネルギーとなった「女性」に注目し、その力をビジネスに転用させることに成功しました。山口の描く女性像は、いわゆるピンナップと呼ばれる男性目線のエロティシズムとはかけ離れて、女性自身が自分の性や存在を謳歌しているように見えます。また、山口が70年代に描いたボクシングや野球、スケートボードなどをする女性像は、まだ85年の男女雇用機会均等法において法の基で等しく女性が社会進出できる権利が得られていなかった時代において、男性社会へのアイロニーとも読み取る事もできます。

    2001年に東京都写真美術館で行われた「女の70年代 パルコポスター展1969-1986」展カタログでは、上野千鶴子が「男仕立てのエロチシズムのシナリオにのると見せながら、過剰にやりすぎることで男の欲望を解体し、女の身体を男の手の届かないところへと理想化する」(「女(おんな)という思想」)と山口の作品を評しています。

    エアブラシで描くイラストレーションは、アメリカのエスクァイア・マガジンやプレイボーイ誌のピンナップで著名なアルベルト・バルガスが先駆者として世界的に著名ですが、まだ日本では70年代初当時山口はるみの他にエアブラシで著名なイラストレーターはおらず、その後70〜80年代にかけて日本の広告業界を席巻したスーパーリアルイラストレーションの先駆者としても、山口の功績は語られる事でしょう。

    今回の展覧会では、山口のPARCO時代のエアブラシ作品を中心に、残された作品の中から厳選された秀作数十点を展示する予定です。2月28日(土)には、アーティストを囲んでのレセプションパーティーを開催いたします。本展を皆様にご高覧頂ければ幸いです。

    作家詳細はコチラ